現在では松竹錠はオリジナルのものと、非オリジナルの松竹錠が存在します。オリジナルの松竹錠とは、松竹錠工業が販売している錠のことで、本体に松竹錠という刻印がされていて、必ず縦に鍵を挿入する仕様になっています。非オリジナルの松竹錠は松竹錠工業とは別の会社が発売しているもので松竹錠という刻印はありません。また、縦に鍵を挿入するものではなく、横に鍵を挿入するタイプのものも存在しています。オリジナルの松竹錠では、鍵を取り外すと重力によってカンヌキが落ちて施錠ができます。オリジナルの松竹錠が必ず縦のものなのは、この重力を使った仕組みが採用されているからです。また、番号が一致する鍵を挿入すればカンヌキが元に戻って鍵がかかる仕組みになっています。松竹錠に使用する鍵は、正式には木札と呼ばれていて、裏面には鍵山が掘られています。この鍵山は番号によって全て異なる鍵山となっていて、番号が一致しなければ当然下駄箱は開きません。松竹錠の番号は1番から144番まで存在します。これは男性用の下駄箱で72個、女性用の下駄箱で72個を数えていたからです。原理として180通りの鍵違いが作れる松竹錠のため、144番すべての鍵が有効に使用できます。
いかがでしたでしょうか?今まで疑問に思っていた居酒屋さんの下駄箱の謎は解けたでしょうか。世の中にはさまざまな種類の鍵が存在し、皆さまの身近な場所でさまざまな目的で使われています。これを機会に少しでも鍵に関心をもっていただけたら、このコラムを書いた甲斐があります。最後まで読んでいただきありがとうございました。