皆さんの中には金庫にどのような種類があるかご存じの方はどのくらいいるのでしょうか。家庭用金庫、業務用金庫など大きなくくりで分けることができる方はいらっしゃると思いますが、防盗金庫という種類の金庫をご存じの方は、おそらくそんなに多くはないと思います。今回開けた金庫はそんな防盗金庫でした。
金庫の鍵開けのご依頼をいただいたのは、平日の午前中のこと。女性の声で「そちらでは今日中に金庫を開けることは可能ですか?」というご相談でした。当社ではほとんどの場合、金庫の鍵開けはご依頼いただいた当日にご対応しています。しかし特別な事情や状況によっては後日対応などをさせていただくこともありますが、金庫の種類によって即日対応できないケースはありませんとお伝えすると、それならばお願いしますと正式なご依頼となりました。
お客様は兵庫県神戸市西区にある企業様です。お電話口の女性は事務スタッフの方のようでした。どのような金庫トラブルなのかお伺いすると、そちらの企業様ではオフィスに重要書類を保管するための金庫を置いているそうです。そちらの金庫はダイヤル錠が2つもついているタイプの金庫で、常に書類の出し入れを行うため事務スタッフはダイヤル錠はガムテープで固定して、常に開いている状態を保持していたそうです。金庫の施錠は事実上シリンダーキーのみで行っていたらしいのですが、先日新人の事務スタッフが誤ってガムテープをはがしてダイヤルを回してしまったということでした。ダイヤルが回って施錠されただけなら暗証番号を入れればダイヤル錠は開錠できます。ところがそちらの会社では、常にダイヤルを開けて金庫を使っていたため、暗証番号を覚えている人がいなかったらしいのです。明日には必要な書類を金庫から取り出さなければならないため、今日中での金庫鍵開け対応となったのです。
神戸市西区にある企業までは作業車で40分ほどで到着し、さっそく事務所の金庫を見させていただきました。すると今回の金庫は日本アイ・エス・ケイ製の防盗金庫STR51-L30Aということが判明。この金庫は防盗金庫といって、施錠システムも高い防犯性を持っていますが、外部からの破壊攻撃による不正解錠にも対応した外観が最大の特徴です。バールやハンマーなどの工具による攻撃も、溶断による攻撃にも耐えることができる頑丈なつくりが防盗金庫たるゆえんです。防盗金庫を破壊するのはまず不可能なので、今回はダイヤル開錠にて対応することになりました。しかし防盗金庫STR51-L30Aについているダイヤル場は100万変換ダイヤルといって、これまた一筋縄ではいきません。幸いにも今回施錠されてしまったダイヤルは1箇所だけだったので、ダイヤル錠開錠の専用機材「オートダイヤラー」を使って鍵開けを行うことにしました。オートダイヤラーはセットすることで自動的に幾通りものダイヤル開錠を試みます。手動の手間がない分、いつ終わるかわからないといったデメリットもありましたが、うれしいことに今回は1時間程度でダイヤルの鍵開けを成功させてくれました!ほっと旨をなで下ろすと同時に、解読したダイヤル暗証番号をお客様にお伝えして今回の作業は終了です。