皆さんの中にはどんな問題が起きてもご自身で試行錯誤して解決をしようとする方もいらっしゃると思います。一般的に考えればそういう方は自分なりの努力をして物事を理解しようとするすばらしい方だと思います。しかし鍵のトラブルに関していえば、ご自分で解決しようとする行為は更なるトラブルを招きかねない危険性があります。今回のご相談はそんな方からのご依頼でした。
ご相談をいただいたのは埼玉県越谷市にお住まいのお客様からです。日曜日の昼下がりにいただいたお電話では旦那様と思われる方から「自宅の玄関の鍵の調子が悪いので一度見てくれませんか?」というご相談をいただきました。くわしくご事情を聞いてみると、お客様は越谷市内に築20年ほどの戸建て住宅を中古で購入されて住んでいるそうです。中古物件を購入したのはまだ1年前くらいだということでしたが、知人からの紹介で譲ってもらった住宅だったそうで、鍵の交換はせずにそのまま使用し続けていたということでした。
ところが最近になって玄関の鍵の調子が悪くなってしまったといいます。最初は施開錠する際に、ひっかかるような感覚があった程度だったらしいですが、そのうち症状が悪化し鍵が空回りしてしまうことが頻繁に起こるようになったということでした。その時点で鍵屋に相談していればよかったのですが、お客様はご自身で調子の悪くなった鍵を修理しようとしたらしいのです。玄関ドアから鍵のシリンダーを取り外して内部を見るために分解したところまでは良かったらしいのですが、結局何を修理していいのか分からず再度組み立てることに。ところがここで問題が発生します。見よう見まねで鍵を組み立てようとしたときに、誤ってシリンダーを落としてしまったらしいのです。その弾みでシリンダー内部の部品は飛散し、いくつかの部品はなくなってしまったということでした。その話を聞いた時点で、そのシリンダーはもう使えないことを確信してしまいました。
調子の悪くなった鍵をご自身で直そうとする方はたまにいらっしゃいます。しかし知識の乏しい方が鍵の修理を行おうとしても、まず組み立てることすらおぼつかないのが現実です。バラバラになってしまった鍵のままでは明日外出することもできないということで、緊急での鍵交換作業となりました。
越谷市内の現場へ急行しお客様から分解した鍵を見せていただくと、ユーシンショウワ製の鍵でした。案の定シリンダー内部のピンが数本なくなっています。現状では鍵修理は不可能であることをお客様に告げ、新しく交換する鍵をご説明させていただきました。今回交換する鍵はユーシンショウワ製のXキーシリンダーです。Xキーシリンダーは8本のピンを搭載したディンプルキーで、122億通りもの鍵違いを生み出す防犯性の高い鍵になります。リバーシブルタイプなので使い勝手も良く耐久性もバツグンなのでめったなことでは故障しません。お客様も新しく防犯性の高い鍵に交換できるということからXキーシリンダーを気に入っていただけたようでした。玄関の鍵交換は30分もかからずに完了することができ、現場を後にしました。鍵に関していえば内部の構造や原理などがわからない場合は、ご自身での修理は控えた方がいいです。でないと今回のように取り返しの付かない事態に陥る可能性もあります。