先日は東京都新宿区にてアパートの玄関ドアの鍵開け作業を行って参りました。
その日は鍵のトラブル案件が非常に多く、忙しい一日でした。別件の鍵開け作業で千代田区で作業中だった私にコールセンターから緊急の鍵開け対応の連絡が入りました。内容を聞くとどうやらお隣の新宿区での鍵開け依頼です。詳しく鍵トラブルの内容を聞くと、新宿区に住んでいる一人暮らしの男性のアパートで、鍵の紛失により玄関が開けられなくなったお客様がいるということでした。コールセンターからの情報では、男性のアパートの玄関はワンドアツーロックタイプではなく、鍵が1つのドアで、ディンプルキーではなくギザギザタイプの古い鍵だということが分かっているようです。千代田区での作業が終了間際だったので、すぐに対応する旨をお客様にお伝えしてもらうようコールセンターにはお願いし、作業を続けました。
5分ほどで新宿の鍵開け現場に向かう準備が整ったので、作業車に乗り込み早速現場に急行します。皇居を横目に新宿通りを通り、靖国通りに入ります。大久保駅を通り過ぎてしばらく走ると、新宿区の現場近くにまで来ることができました。ここまでは20分程度で移動することができたので、あとはお客様と直接連絡をして、待ち合わせをすることにしました。電話で連絡してから5分ほどでお客様と合流し、現場のアパートまで案内をしていただきました。アパートは木造2階建ての作りで、だいぶ築年数が経っているようです。お客様のお部屋の前まで来て、玄関のドアについている鍵を確認すると、美和ロック社製のPXシリンダーです。
PXシリンダーという鍵は美和ロックが長年提供してきた玄関に最適な鍵です。しかし、鍵違い数の限界を超えこれ以上の製造ができなくなってしまいました。おそらく新規でPXシリンダーを取り付けることは今後不可能になるはずです。PXシリンダーの特徴は、形状がギザギザのタイプの鍵で、鍵の片側にだけ溝が掘られていることが挙げられます。四角いキーヘッドも特徴のひとつで、一昔前なら皆さんお馴染みの鍵だったと思います。PXシリンダーをお使いの方にご注意しておきたいのは生産が中止され、スペアキーの提供も期限が決まっている点です。今回のお客様のように鍵を紛失してしまった場合は、最適なのは防犯上の観点からみても鍵交換ですが、もしそれができないなら、お早めに合い鍵の注文をしておくことです。時間が経てば合い鍵を作ることもできなくなります。
早速玄関の鍵の鍵開け作業に取りかかりました。相手はPXシリンダーですので、通常のピッキング作業で鍵開けは可能です。開錠道具を取り出し、丁寧に鍵開けを行っていきます。鍵開け作業開始から10分程度で無事アパートの玄関の鍵開けができました。お客様には開錠の確認をしていただき、全ての作業は終了です。最後にPXシリンダーが今後世の中からなくなる可能性をご説明して現場を後にしました。