今回ご依頼をいただいたのは、船橋市海神にお住まいのお客様からで、玄関の鍵開け作業を施工してまいりました。
お電話は日曜日の午後3時ごろでした。慌てたご様子で「家の鍵をどこかに落としてしまったので、至急鍵開けをお願いしたい」というご要望です。鍵トラブルに対応する際は、お電話口で最低限お聞きしないといけない情報があります。一つ目はお伺いする住所、2つ目は連絡のとれるお電話番号、3つ目は鍵トラブルの情報です。住所と電話番号はすぐにお伝えいただけるんですが、トラブルの詳細となるとお客様も動転している方がほとんどですので、なかなかうまくご説明いただける方は少なくなります。しかし今回のお客様は、焦っているものの状況把握はしっかりとしていました。
お客様宅は船橋市海神にある戸建て住宅で、玄関には防犯性の高い鍵を取り付けているということでした。どこかで鍵交換などをして高防犯の鍵を取り付けたのかお伺いすると、2年前に空き巣に入られたのをきっかけに、当時話題になっていた鍵に交換したそうです。ちなみにどんな鍵が付いているのかお伺いすると、マルティロックということでした。マルティロックは他の鍵では見られない特殊なシリンダーピンの配列を実現したことにより、プロの鍵屋でも不可能なアンチピッキング性能を誇っている鍵です。また、鍵穴からドリリングなどでシリンダーを破壊して鍵を開ける手口もシャットアウトできるよう、ドリルの素材よりも硬い超硬板が内蔵されているので、破壊して鍵開けを行うことも困難です。マルティロックの鍵開けを依頼された場合は、開錠以外の方法をご提案することが多く今回も別の方法がないか探っていきました。お客様にいくつかご質問をしてみると、一戸建て住宅では珍しいですが玄関扉にポスト口がついているといいます。もしかしたらそこから鍵開けができるかもしれませんとお伝えすると、一度見てほしいということになり駆けつけることになりました。
現場へ到着しお客様とご挨拶を交わしたあと、玄関扉まで案内していただきました。紛れもなくマルティロックです。防犯意識の高まりから現在の住宅は高防犯の鍵が普通に取り付けられるようになりました。それ自体はとてもよいことなのですが、今回のようなトラブルが発生した際にはトラブル解決への大きな壁になってしまうことが多く、当社のような企業には試練の時代になってきました。
お急ぎということだったので、さっそく鍵開け作業を開始いたします。ピッキングでの鍵開けはまず不可能なので、お電話で伝えていただいたポスト口からのサムターン開錠を試みることにしました。幸いにもポスト口はサムターン開錠を行えるぎりぎりの箇所に取り付けられていたので、専用の開錠工具を使って、ポスト口から室内側のサムターンを狙っていきます。最初はなかなかうまく引っかからずに手間取りましたが、20分ほど経過した時にサムターンが回る手応えを感じることができました!最後はお客様ご自身に玄関ドアが開いていることを確認していただき全ての作業は終了です。この度はご依頼いただきありがとうございました。