先日承ったご依頼は、ご自宅の玄関の鍵を徘徊防止用の鍵へ交換したいとうものでした。お客様は神奈川県相模原市にお住まいの方で、同居している高齢の母親が最近徘徊をするようになって困っているというお悩みでした。くわしく事情を聞いてみると、お客様は以前は相模原市の実家を出て、横浜市で暮らしていたそうですが、母親が高齢になりわずかながら認知症も出始めてしまったため、家族みんなで実家へ引っ越してきたそうです。しばらくは家族で協力しながら母親の介護をしていたようですが、最近になって勝手に外出してしまう「徘徊」が始まってしまったようでした。
お母様も認知症を患っているとはいえ、身体は元気なようで、徘徊をすると思いもよらない遠方まで歩いてしまうということでした。1回目の徘徊の後は、家族でなんとか乗り切ろうと頑張っていたそうですが、昼夜問わずに行動してしまう母親を常に見張っていることは不可能で、2回目の徘徊の後、家族で話し合って徘徊対策用の鍵を頼むことにしたといいます。ご家族の中にはお母様を家に閉じ込めるようで抵抗のある方もいたそうです。しかし今まで数多くの徘徊対策をさせていただいたプロの鍵屋の意見としては、徘徊というものの危険性を考えれば致し方ないことだと申し上げさせていただきました。たしかに親族を家に閉じ込めてしまうようで罪悪感を感じてしまうお気持ちはわかります。しかし今後もまた繰り返される徘徊において、お母様が無事に済む保証はどこにもありません。徘徊防止対策の鍵に交換することは、お母様の身の安全を確保することなのです。お客様にもご納得していただき、鍵交換の予約をしていただきました。
予約当日、相模原市の現場へ訪問するとご家族みなさんで出迎えてくれました。お母様は寝室で寝ているということなので、その間に鍵の交換をすることに。今回当社がご提案させていただいたのはカバ社のカバスターネオセーフティリムロックという鍵でした。カバスターネオセーフティリムロックの最大の特徴はセーフティサムターンとよばれる特殊なサムターン機能にあります。この鍵のサムターンは2つのモードに切り替えて使用することができます。在室モードの時には通常の鍵のように室内側からサムターンを回して鍵を開けることができますが、外出モードに切り替えるとサムターンは空回りするようになり室内側からでも鍵を開けることができなくなるのです。この機能は元々はサムターン回しと呼ばれる不正解錠を防ぐために生まれたものですが、徘徊防止にもおおいに役立つことから近年ではさまざまなシチュエーションで使える徘徊対策錠として人気の鍵です。お客様もカバスターネオセーフティリムロックの性能にご納得いただけたようなので、玄関の鍵交換作業に取りかかりました。
元々ついている鍵をカバスターネオセーフティリムロックへ交換する作業なので、施工時間も30分とかからずに終了。最後にお客様に鍵の使い方をご説明させていただき、現場を後にしました。今後は徘徊の不安が解消される分、お母様により一層やさしく接してくださいね。また何かあればお気軽にご相談ください。
