今回は愛知県豊田市で店舗出入り口の鍵の修理作業を行って参りました。
お電話をいただいたのは豊田市内で店舗を営むオーナー様からです。どのような鍵トラブルかお尋ねすると、店舗の出入り口の鍵の調子が悪く、鍵が挿さらない状態で施錠ができないということでした。鍵の調子が悪くなる心当たりはないかお聞きすると、昨晩お店を閉める際に鍵の施錠をしたとき、いつもとは違う鈍い感触があったということでした。その時は鍵もちゃんと閉められたのでお客様も特に気にすることなく帰宅されたそうですが、翌日店舗を開けようとしたら、鍵が挿さらない状態になっていたということです。おそらく昨晩の施錠の時に鍵シリンダーになにかしらの不具合が発生した可能性があります。お客様のご要望は開店時間までには鍵が開けられるように修理してほしいということだったので、緊急での鍵修理対応となりました。
お客様には念のためこれ以降は鍵穴に触らないようにお願いして、現場に急行することになりました。お客様の店舗は豊田市郊外にあり、ここからだと豊田南バイパスを使って、途中豊田西バイパスを経由していけば30分程度で到着できます。開店時間まではあまり時間がなかったので、朝の通勤ラッシュに巻き込まれないように道を選びながら現場に向かいました。
到着後お客様に店舗まで案内していただくと、ガラス張りの出入り口のドアにゴール社製の6ピンシリンダーが取り付けられていました。6ピンシリンダーは操作性にも耐久性にも優れた鍵で、ディンプルキーではないものの防犯性能も高い優秀な鍵です。どのような不具合が起こっているのかルーペで鍵穴をのぞき込むと、シェアライン上に配置されたピンの一つが通常よりも飛び出した状態で固定されているのがわかりました。おそらく昨晩の施錠の際に故障したのでしょう。飛び出したピンによって鍵が奥まで挿さらない状態です。まずは6ピンシリンダーを取り外して、分解してみました。6ピンシリンダーはその名の通りシリンダー内に6本のピンが配置されています。ピンは下ピンとアンチピッキングピンである上ピンの2種類があるのですが、どうやら下ピンの一つのピンバネが機能しなくなっている状態のようです。そのピンバネを修理して調整すれば修理は可能です。身長に下ピンを取り除くと、その奥にピンバネがあります。専用のピンセットでピンバネを抜き出していきます。鍵の修理をする際に一番気をつけなければいけないのは、部品の紛失です。微細な精密部品の集合体である鍵は、その部品の一つでもなくなれば機能しなくなります。故障していないピンやピンバネがばらけないように優しく取り扱わないといけないのです。
6ピンシリンダーの鍵修理は40分ほど続きました。開店時間が迫っているので少々焦りましたが、無事に鍵の修理が完了しました。最後にシリンダー内部の洗浄もして、鍵の動きをよくする潤滑剤を塗布しすべての作業は終了です。再度取り付けた鍵でしっかりと鍵の施開錠ができることをお客様にも確認していただき、今回の作業は終了です。
