先日は千葉県柏市のお客様からのご依頼で戸建て住宅の玄関の鍵交換をしてまいりました。ご相談をいただいたのは日曜日の午後のこと。「玄関の鍵がまったく回らなくなってしまった。どうにかしてほしい」というご要望でした。鍵が回らないということだったので、故障の原因などが分かれば教えてほしいとお伝えすると、数週間前から鍵の調子が悪かったらしく、鍵の開け閉めの際に引っかかるような感触があったそうです。また鍵の抜き差しのときにも違和感を感じるようになったので、昨日に鍵のシリンダー内に油をさしたということでした。油をさした瞬間は鍵の回りもよくなって一件落着だと思ったそうですが、翌日になってみると鍵がまったく回らない状態になっていたということです。
原因ははっきりとしました。それはお客様がさしてしまった油です。よく鍵の動きが鈍くなってくると潤滑油などを注入してしまう方がいらっしゃいますが、それは絶対にしてはいけない行為なんです。お客様の話では数週間前から調子がおかしかったということでしたので、おそらく長い時間をかけて内筒内にゴミや埃が蓄積していた可能性があります。そのゴミや埃がキーウェイを邪魔して動作が悪くなることはよくある話です。そのままの状態でもいずれ鍵のトラブルに発展する恐れはありますが、お客様の場合はそこに潤滑油を注入してしまったのが災いしました。潤滑油をさした瞬間は動作が良くなったように感じますが、時間が経過するとシリンダー内のゴミや埃と混ざって固まってしまうのです。そうなってしまうと最悪で、シリンダー内にこびり付いたゴミと油の混合物があらゆる動作を邪魔してしまいます。お客様にはまずは鍵修理で対応可能か診断し、最終的には鍵交換の可能性もあることをご了承いただき、柏市の現場へ急行することになりました。
現着後お客様にご連絡を入れると、お家の中から出迎えてくれました。軽くご挨拶を交わしさっそく問題の鍵を拝見させていただきます。鍵はゴール社製のV18シリンダーが取り付けられていましたが、ジプスコープで内筒内を観察してみると見事に固まった油がこびり付いています。試しにお客様が持っている合い鍵をお借りして施錠をしようとしたのですが、まったく鍵は回りませんでした。まずはシリンダーを分解して洗浄で対応できるか試してみたのですが、固まりきってしまった油は細かいピンの内部にまで入り込んでいて全てをキレイに洗浄できる保証はありませんでした。お客様に状況をご説明すると、「いつまでもこのままの状態ではいられないので、鍵の交換をしてください」というご要望をいただけましたので、作業車から新たな鍵を取りだして交換作業をさせていただくことになりました。
今回鍵交換するのはお客様が長年使用しているのと同じ、V18シリンダーにすることになりました。他の鍵も数種類ご紹介したのですが、使い慣れたものが一番良いというお客様の希望を尊重させていただくことに。交換作業はもともと同じV18シリンダーがついているところへの交換だったため、5分程度で終了することができ、お客様に最終チェックをしていただきました。お客様は「鍵は素人が下手に弄るものじゃないね」と少し落ち込んでおられましたが、知識がないことは恥ではありません。今後同じミスを繰り返さなければいいだけの話です。今後また鍵の調子が悪くなったときは遠慮なくご相談くださいとお伝えして現場を後にしました。
