皆さまの中には突然玄関の鍵が故障して使えなくなってしまった経験のある方はいらっしゃるでしょうか?鍵が壊れてしまうという認識すらない方もいると思います。その感覚は当然といえば当然ですよね。だって何のトラブルもなく使い続けている鍵であれば数十年は必ずもちます。しかしさまざまな理由から鍵を修理しなければならない状況になってしまう方もいらっしゃるのです。今回のお仕事はそんなお客様のお話です。
ご相談をいただいたのは千葉県船橋市にお住まいのお客様からです。ご相談の内容は現在住んでいる船橋市内のマンションの玄関の鍵が壊れてしまったので、緊急で鍵修理をお願いしたいというものでした。トラブルの詳細をお聞きすると、お客様宅には小学生の息子さんがいらっしゃって、同じマンション内に住む同級生とよく遊んでいたそうです。子供たちはよくごっこ遊びをしていたといいます。その中でも探偵ごっこは最近一番の流行だったそうで、鬼ごっこに探偵の要素を入れて楽しく遊ぶことが多かったようです。ところが探偵ごっこがいきすぎて、鍵がかかった玄関をピッキングの真似をして開けるような遊びまでしていたようなのです。もちろん小学生の子供がピッキングツールなど持っているはずもなく、落ちている小枝や針金などを鍵穴に突っ込んでガチャガチャとピッキングの真似事をするだけだったようですが、それが鍵の故障を招いてしまったということでした。
お客様が自宅に戻ってみると鍵がうまく挿さらずに玄関が開けられない状態だったといいます。おそらく子供たちがシリンダー内を傷つけてしまったか、木くずが入り込んで詰まっている状態が予想されます。お客様は現在家に入れない状態になっていることから、緊急での鍵修理対応となりました。急いで船橋市内の現場へ急行し、マンションのお客様宅まで行ってみると、玄関前で待つお客様と泣きべそをかいているお子様が立って待っていました。おそらくお母さんにこっぴどく怒られたのでしょう。真っ赤な目に涙を浮かべながら反省した様子でたたずんでいるお子様は、私に助けを求めるような視線を送ってきます。これは早く鍵の修理をして安心させてあげようと、さっそく鍵修理の作業に取りかかりました。
まずは、鍵の状態をチェックします。ライト付きの拡大鏡を使って、鍵穴内部をのぞきます。個人的に心配していたのは、シリンダー内部が修復不可能なくらい破損しているケースでした。その場合鍵修理では済まず、シリンダーを交換しなければいけないケースもあるからです。しかし確認したところシリンダーの破損は見られませんでした。代わりに見えたのは木の破片が鍵穴に詰まっている様子です。予想したとおり、探偵ごっこで小枝を突っ込んだ際に中で枝が折れて残ってしまったようです。まずはシリンダー内部の木くずを綺麗に取り除き、洗浄していきます。シリンダー内に木くずがなくなったところで、お客様に鍵で玄関を開けてもらうと無事に玄関が開けられたので鍵修理作業は終了することになりました。泣きべそをかいていたお子様には、これからは鍵で遊んじゃ駄目だよとやさしく声を掛けて現場を後にしました。